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カミシモ/アマゲンだけ

drstと🧲⚡️

ヨーロッパ企画の「ドロステのはてで僕ら」を観て、カミシモの天野くんとタイムパトロールに関する解釈が大きく変わったのでまとめ。

情報をわかるだけ詰め込み考察しているので長い。

自分の記録用。人に読んでもらう前提で書いていません。

【注意】

  • 「ドロステのはてで僕ら」のネタバレがあります
  • ドロステの設定をアマゲンの解釈に適用しています。クロスオーバーに近いので苦手な方は申し訳ありません。

【ドロステのはてで僕らとは】
ヨーロッパ企画作の短編SF映画
ある日突然、自宅のテレビが「2分後の未来」に繋がった男が主人公。
たかだか2分先の未来、毒にも薬にもならないと思われたテレビだったが、友人達のとある行動により大変な事態に発展してしまう、というあらすじ。
他に類を見ない傑作で、たった70分の間に二転三転する物語を味わえる。

繰り返しですがここから先はドロステのネタバレありです。
映画をご存知でない方はこの記事をご覧にならないことを強くおすすめします。

この映画と天野守の一致点

このまとめを作ったきっかけは、ドロステと天野くんに共通点が多くこの2作品は設定や世界観を共有している可能性を感じたため。以下共通点。

  • 左腕に着けた銀のアクセサリーはおそらくタイムパトロールの証
  • 記憶を消せる粉
  • ピカっとする何か(カミシモでは記憶消去装置?)

ヨーロッパ企画YouTubeチャンネルに梅津さんがカミシモ繋がりで参加した回。

https://youtu.be/CKv9y4GwdAg

初見では梅津さん登場シーンの左腕を前に構えるポーズの意味がわからなかったけど、ドロステ鑑賞後に再見するとあれはタイムパトロールのポーズだと思われる。
梅津さんは上記動画内でドロステも観てる旨の発言あり(ご自身の好きな長回し映画を解説する際)。

カミシモ本編には1度も登場していないけど天野くんが何度か言ってる「記憶を消せる粉」、これも多分ドロステ由来のもの。

ヨーロッパ企画が脚本を作った話で私が知ってるのは多分カミシモとドロステだけ、もっと観ればタイムパトロールの解像度が上がるかも。

映画で判明した歴史改変における設定

以下、天野くんとドロステのタイムパトロールは同じ機関に属していると想定して考察。
判明した設定に関して、私の推測が含まれる内容には「★」を付ける。

  • 時空のひきつれにより、稀にワームホールの干渉が起こる
  • ワームホールの使い方によっては時空間の秩序が大きく乱れ、パラドックスを引き起こす場合も★
  • タイムパトロールは時空局という組織に属する
  • 時間犯罪に問われると「時の牢獄行き」になる可能性
  • 「粉」を飲めば安全に数時間の記憶のみ消去可能
  • 「粉」は最近開発?研究?が進んでる(うろ覚え)
  • 以前は対処法が、全て消す(記憶か存在そのものかは不明)か別人にするしかなかった
  • 任務遂行の邪魔になる存在は重要人物でない限り歴史から消してもいい★
  • 時間犯罪関与者の記憶を消すのは宇宙の根幹を成す規則のため。
    未来は歴史の上に成立。歴史は積み重ねであり、過去は未来の礎
  • バタフライエフェクトが存在。
    ちょっとした過去の変化が未来に大きく影響を与える

どこに属するかわからない情報

どこに入れたら良いか迷った情報はここに全部入れる。

歴史改変の設定の作り込み度合いについて

ヨーロッパ企画がドロステについて語る以下動画。 https://youtu.be/i9Prun0i3eY

この動画によると、明言されていないものの脚本家の上田さんの中では作中の歴史改変における設定を矛盾なく用意しているっぽい。
そのうえで解釈の余地が残るように描いた、と。

ヨーロッパ企画が提供する歴史改変の設定はサマータイムマシン・ブルースあたりも観ればもっと分かるかもしれない。

ただ、上田さんの持つ設定がカミシモにも適用できるかは不明。
7話を書いたのは左子さんだから。

hominis.media

上記記事によると天野守の設定は早々に決まった訳では無い。

上記ツイート、リプツリーの「怒られるかも?」というのは天野くんの唐突な未来人設定を指している可能性がある。

以上の理由から、天野守の未来人設定は割と製作の後半で決定、上田さんが設定の辻褄合わせに参加していない可能性も考えられる。

考察

思いついた考察。

1.時浦と島の出会いは時空のひきつれの影響?

私は以前Twitterで「天野くんが過去に来た理由がわからない」という趣旨の呟きをした。
当時の私は「誰かが人為的に大規模な歴史改変を目論んでいる」と推測をしていたけれど、時空のひきつれでワームホールが発生する可能性をドロステに示された。
湘南劇場に起きたバグも人が引き起こしたものではなく、自然発生なのかもしれない。

そもそも天野くんは現在の湘南劇場の状況を「バグ」って表したんだから、意図せずに発生したものと解釈する方が自然かも。

2.天野守が消滅していないのはなぜ?

ドロステでは主人公たちが記憶消去を拒んだ結果、未来が変わり未来人が消えてしまった。
であれば、天野くんが今も消えずにいるのは未来が変わっていないor未来は変化したけど天野くんには影響が及んでいないと解釈できる?

天野くんがお笑いを続ける覚悟を決めた時点でアマゲンが歴史に名を残すことが決定、それにより大きな歴史改変が発生。
2020年代の歴史上に名前が残ることになった天野守以外の未来人は消滅した…とか…。

アマゲンを存続させたいからってかなり乱暴な仮説だけど。
この場合、時空局も消えてなくなってるかもしれない。
天野くんは現代に残りアマゲンを続けられるが、本来の時間軸には帰れないし未来にいた大切な人たちにも二度と会えない。
消滅してるから。

あるいは、未来からやってきた天野くんがアマゲンに本気になっている今の事態こそが実は正史だとか…?

3.ピカっとするやつの設定

ドロステで気になった点。
記憶を消せる粉があるのにピカっとするやつ(以下「ピカ銃」と呼称)を使ったのはなぜ?

粉とピカ銃でできることに違いがあるのかも。
粉は短時間の記憶を消すことしかできない。
ピカ銃は記憶消去以外にも、敵を制圧したり人格を変えたりとかできるのかもしれない。
ドロステであのままタイムパトロールに居座られてたら、ピカ銃で眠らされた仲間たちは数時間の記憶消去だけじゃすまなかったのでは。

長期間に及ぶ記憶の消去はピカ銃の役割なのかも。
そう考えれば、カミシモ7話で天野くんが粉を使わずに「(記憶消去は)ちょっとピカっとするだけなんで」と答えたのも辻褄が合う。

4.未来を変えても現在は問題なく進む?

湘南劇場は今、本来存在しないはずの歴史を紡いでいる。
このまま進むとこの時空はどうなるのか?

  1. 本来の未来は消滅し新しい歴史に上書きされる
  2. 本来の未来と分岐し、新しい歴史を元にするパラレルワールドが生まれ本来の未来と併存する
  3. 宇宙がおかしくなる

ドロステ時空は1か2?
タイムパラドックスが生まれた時点で未来人は消滅する。
現代人や過去人への影響はない。

重要なのはタイムパラドックスが起きるかどうかなんだと思う。
時間遡行や過去人との接触だけでは未来は変わらない。
本来、現代人は未来なんて知りようがないからタイムパラドックスは起きない。
でも何らかの影響で未来を知り、辻褄が合わない行動を取るとタイムパラドックスが発生して本来の未来が消えるor未来が枝分かれしてパラレルワールドが生まれる。

気になるのは3。
ドロステには「時空犯罪関与者の記憶消去は宇宙の根幹を成す規則」みたいなセリフがある。

ドロステで未来を変えてしまった主人公たちの身には何事もないように見えるけど、後々宇宙がぶっ壊れるような大問題が起きるのかもしれない。
つまりアマゲンが存在するあの世界もおかしくなる可能性があるということ。

5.「時の牢獄」とは何か

時間犯罪者が投獄されるっぽい時の牢獄。
ドロステでは名前以外の言及がないので想像するしかないけど、苛烈な罰が待ち受ける監獄としか思えない。

存在を世界から抹消されて、誰にも認知されないまま生かされ続けるとか、罪を犯した場面や辛い体験を何度も繰り返させられるとか?

6.銀の腕輪について

7話で天野くんは「これからはタイムパトロールの職務を捨て〜」と宣言してるけど、実はまだ職務を完全に捨てるつもりはないのでは?

天野くんが左腕に着けてる銀色の何か、あれがタイムパトロールの証だとしたら職務を捨てたと言う割にまだ装着しているのが不思議なので…。

あれはタイムパトロールの証と言うより、時間遡行に必要なデバイスなのかもしれない。
本来、別時間からきた人は歴史の異物とみなされて大いなる力により殺されるけど、あの銀ピカが謎テクノロジーで守ってくれる、みたいな。

時間遡行なんて危険行為、一般人はできないようにされてると思うので、銀ピカを着けてる=タイムパトロールという図式が自然と成り立つのかも。

ほかにも生命反応を感知して時空局に自動送信してるとか、未来との交信道具とか色んな想像ができる。

考察にならない妄想

多分天野くんは劇場の誰にも自分が受ける罰や消滅する可能性について告白していない。
話したら皆、自分達が天野を唆したせいだと気に病むだろうから。

天野くんは自分が重罪を受ける、最悪消えると承知のうえでアマゲンを続けることを選んだと思うと重みがすごい。
私は今まで「カミシモならきっと幸せにしてくれる」とかなーんの根拠もなく考えてたけど、解像度が上がったせいでそんな呑気なこと言えなくなってしまった。

ていうか天野くんも大概精神力が強い。
自分がいつ消えるか、投獄されるかも分からない状況で日々お笑いを続けてるんでしょう?
そりゃイヌゲン騒動で「出会う前の時空に遡りたい」とか言うはずだよ。
天野くんにとってお笑いは夢中になれるだけじゃなくて、現実逃避の側面もあるのかもしれない。

ドロステのタイムパトロールはかなり容赦がない。
訳も分からず時空犯罪に巻き込まれた人々も有無を言わさず気絶させてるし、このままだと天野くんだけでなく湘南劇場の面々も危険かもしれない。
5話を見るに天野くんは人を傷付けて平気でいられるような人じゃないから苦しみそうな気がするけど、この辺のことはどうするつもりなんだろう。

バグである時浦くん、天野くんが未来人だと知りながら明確に改変を唆した現多さんは確実にアウトでは。
ほかの面々は記憶消去くらいで済むかもしれない。

感想

実を言うとカミシモの7話初見時に「もっと丁寧にタイムパトロールとしての伏線を張ってほしかった」と思っていた。
だけど、ドロステを観てる人なら天野くんの初登場時はおろか、ドラマのキービジュアルを見ただけで彼の正体が分かるという壮大な仕掛けがあったわけで、完全に一本取られた気分。

ドロステでタイムパトロールが腕の銀ピカを露わに名乗るシーン、観ていて鳥肌が立った。
天野くんが着けてる銀ピカのことはずっと「私が疎いから知らないだけで、ああいうおしゃれアイテムがあるのかな」とか思ってたけど全然違った。

私は絵も小説も書けないから二次創作をした事がないけど、二次創作に命をかける人たちの気持ちの一端がわかった気がする。
好きなキャラが原作で幸せにならないなら、せめて自分の作る世界で健やかに過ごして欲しいと思うよね。

まあ色々考察したけど、ドロステとカミシモが設定を同じくしてるとは限らない以上、救いの道はある訳で。

現実の強固な愛や友情だって、死やお互いの変化でいつか終わりが来る。
大事なのは一緒にいた時間の長さじゃなくて悔いなくやり切れるかどうかだと私は思っているので、今後どういう結末が用意されてるのかは分からないけど2人は全力で「アマゲンの終わり」まで駆け抜けてほしい。